犬猫の腎臓病ケア~原因・症状・治療方法・家庭でできるケア~

2025年7月24日 最終更新日
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犬と猫の腎臓は、老廃物の排出や体内バランスの維持に欠かせない重要な臓器です。
とくに猫は、年齢とともに腎臓病を発症しやすいため、普段のちょっとした体調の変化にも注意が必要です。
今回は、腎臓病の原因・症状・治療、そして家庭でできるケアについて解説します。

目次
  1. 【腎臓の役割】犬猫のからだを守る5つの機能
  2. 【腎臓病の原因】知っておきたいリスク要因
  3. 【腎臓病の進行段階】ステージ別のサインと注意点
  4. 【専門治療】動物病院で行う検査と治療法
  5. 【家庭でのケア】今日からできる腎臓ケア
  6. 【まとめ】大切なペットの腎臓病ケア~早期発見・適切なケアが命を守る~

【腎臓の役割】犬猫のからだを守る5つの機能

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腎臓の主な5つの機能

  1. 老廃物の排出

    血液中の不要な物質を尿として排出し、体内をクリーンに保ちます。

  2. 水分・電解質の調整

    必要な水分とミネラル(ナトリウム・カリウムなど)のバランスを維持します。

  3. 血圧の維持

    腎臓が分泌するホルモン(レニン)によって、適切な血圧が保たれます。

  4. 酸塩基平衡の維持

    血液のpHを一定に保ち、細胞の正常な働きをサポートします。

  5. 赤血球の生成促進

    赤血球生成を助けるホルモンの分泌により、酸素運搬力が強化されます。

【腎臓病の原因】知っておきたいリスク要因

犬猫の腎臓病は、多くの要因が複合的に絡む多因子性の疾患です。
とくに猫では加齢が大きなリスクとなっており、10歳以上の猫では腎臓病の発症率が約30~40%に上るという報告もあります。

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加齢

高齢猫では、加齢に伴い腎臓の構造的・機能的変化が進行します。
とくに、腎臓を構成する細胞や間質領域における炎症や線維化(線維組織の増生による腎臓の硬化)がみられ、これにより腎臓の萎縮や機能低下が徐々に進行します。
実際、10歳以上の猫は腎臓病を発症するリスクが高まり、全体の約30〜40%が罹患しているとされています。

遺伝的要因

一部の犬種や猫種では、遺伝的に腎臓病の発症リスクが高い傾向があります。
遺伝性の疾患として現れる場合もあり、注意が必要です。

食事の影響

高タンパク食や不適切な栄養バランスは、腎臓に過剰な負担をかけることがあります。

環境因子・その他の要因

感染症、慢性疾患、薬剤の副作用などが腎臓にダメージを与えるケースも見られます。
また、生活環境や活動量も影響を与える要因となります。

【腎臓病の進行段階】ステージ別のサインと注意点

IRIS(International Renal Interest Society)のステージ分類に基づいた、犬猫の腎臓病の進行状況と主な症状の例をご紹介します。
※IRISとは国際腎臓研究会の略で、腎臓病を評価する基準。

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IRISステージ分類と主な症状と対策

IRISステージ 主な症状と対策
ステージ1 検査で微小な異常が認められるのみで、体調の変化はほとんどない。早めに気づけた場合は幸いです。定期的な健康診断や、食事・生活習慣の見直しを始めましょう。
ステージ2 食欲が少し落ち、多飲多尿の兆候やゆるやかな体重減少があります。腎臓にやさしいフードに切り替えることを検討しましょう。食欲や体重の変化に気を配り、定期的に動物病院でチェックを受けてください。
ステージ3 食欲不振や体重減少が見られ、治療のタイミングが重要です。病気の進行を遅らせるために、治療や特別な食事、必要に応じて補液などのケアが大切です。おうちでの様子をよく観察し、早めに病院へ相談しましょう。
ステージ4 深刻な食欲不振と体重減少、重度の脱水など全身状態がかなり悪くなる。集中的な治療やサポートが必要です。愛猫・愛犬の苦痛を和らげることや、生活の質(QOL)を保つことを最優先に、獣医師とよく相談して今後のケア方針を決めましょう。

これらのステージはIRISが定めた国際的な腎臓病評価基準に基づいており、各ステージに応じた適切な治療計画や生活改善が重要です。

チェック

日頃から愛犬・愛猫の健康状態をよくチェックし、下記のリストにある症状や兆候(サイン)に当てはまったら早期に動物病院で相談しましょう。

  • 普段より水を多く飲んでいる
  • 尿の量が多くなっている
  • 食欲が低下している
  • 体重が減少している
  • 被毛の艶が落ち、乾燥している
  • いつもより元気がなく、疲れやすくなっている
  • 嘔吐や消化不良が起きている
  • 口臭が普段と変わっている

【専門治療】動物病院で行う検査と治療法

ここからは、動物病院で行われる腎臓病の検査や治療法について解説します。

検査方法

血液検査や尿検査で腎機能を評価するほか、レントゲンや超音波検査で腎臓の状態を詳しく確認していきます。

治療計画

治療は、慢性腎臓病のステージによって変わってきます。

  • 食事療法

    ステージや臨床徴候により、腎臓への負担を軽減するための療法食を使用します。
    必須アミノ酸をバランス良く補給できるものを選ぶことが、腎臓への負担軽減や筋肉量の維持に直結します。

    食事療法についての補足説明

    腎臓病が進行すると、体重が大きく減り、それにともなって筋肉量も減ってしまいます。筋肉の減少は猫の生活の質(QOL)を下げ、余命にも影響を与える可能性があります。

    エネルギー摂取が不足すると、体は自分の筋肉を分解してエネルギー源として使おうとするため、筋肉がどんどん減っていきます。

    そのため、腎臓に配慮した「たんぱく質・リン・ナトリウムのバランス」だけでなく、筋肉を維持するために大切なアミノ酸もしっかり摂ることが重要です。

  • 薬物療法

    脱水症状や老廃物除去をサポートします。

  • 脱水症状の改善

    寄生虫が原因の場合に使用されます。

  • 定期検査

    腎臓病は進行が早い場合もあるため、定期的な検査が重要です。
    頻度は3ヶ月〜6ヶ月に一度などに設定されることが多いですが、担当の獣医師の先生と相談して決めましょう。

【家庭でのケア】今日からできる腎臓ケア

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家庭でのケアは腎臓病の進行を抑えるために欠かせません。

適切な食事管理

獣医師が推奨する療法食を提供しましょう。

水分補給

常に新鮮な水を用意し、水を飲む量をチェックしてください。ウェットフードも水分補給に役立ちます。

環境整備

ストレスを減らし、腎臓への負担を軽減する環境を作りましょう。

定期的な通院

獣医師の指示に従い、継続的に検査や治療を行うことが大切です。

【まとめ】大切なペットの腎臓病ケア~早期発見・適切なケアが命を守る~

腎臓の役割や症状のサインを理解し、日々の健康管理をしっかり行うことで、大切なペットの生活の質を向上させることができます。
腎臓病は早期発見と適切なケアが鍵です。いち早く症状や兆候に気づき動物病院での検査や治療、家庭でのケアを行い大切なペットの健康を守りましょう。

動物病院が推奨

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ご希望の場合、まずはかかりつけの動物病院へご相談ください。

監修者プロフィール
監修者:獣医師、福地かな
獣医師|福地かな

獣医学部を卒業後、東京都内の動物病院で犬猫の診療に携わりました。その後、外資系製薬企業のメディカルアフェアーズ部門でMSL(Medical Science Liaison) として活動。
現在は動物病院での臨床試験や、製薬企業・ペットフード業界での業務を通じて培った知識をもとに、犬猫の「もしも」に備える中毒対策を、化学的根拠に基づきつつ、獣医師の視点でわかりやすく発信しています。